グレーチングとは

グレーチングとは、鋼材が格子状に組まれた排水性のある金属製の「みぞふた」や「ますぶた」のこと。
グレーチングは一般的に道路脇の側溝やU字溝、もしくは歩道や建物の外構周りに使用されています。
化粧用グレーチングや鋳鉄製グレーチングなど種類があり、規格や寸法(サイズ)・耐荷重によって用途ごとに使い分けられています。

グレーチング

使用場所について

使用場所を大きく分類すると、建築用と土木用に分類できます。
下記のような物件には、グレーチングが含まれている可能性が高いです。

分類 物件 グレーチング種類
建築 プラント 床板グレーチング、階段グレーチング、ファインフロアなど
住宅 ツバ付、マス用グレーチングなど
ビル ステンレスグレーチング、ファインフロアなど
公共施設 ステンレスグレーチング、ピット蓋など
設備関係 四面ツバ付グレーチングなど
外構(建築) ツバ付、落込みグレーチングなど
土木 道路 かさ上げグレーチング、IBグレーチングなど
用水路 ツバ付グレーチングなど
公園 ボルト固定、細目グレーチングなど
外構(土木) ツバ付、落込みグレーチングなど

素材について

材質 特徴
鋼材(SS400)
亜鉛メッキ処理
鋼材製は一般グレーチングで道路用、床板用、船舶用、階段用等に使用されます。
ステンレス(SUS304) ステンレス製は錆びにくいため、商店の入口、デパートのマット、海辺で腐食を恐れる場所、そして建物の外溝の美観を重視される場所には特に多く使用されるようになってきました。
鋳鉄(鋳物) 鋳鉄製にはFC(鋳鉄)とFCD(球状黒鉛鋳鉄)とあり強度を必要とする所にはFCDを使用します。マンホールに多く使用されていますが、鋳鉄製(FCD)グレーチングも市町村によっては使用されることもあります。
FRP
(ガラス繊維、強化プラスチック)
化学薬品等を使用する下水処理場の耐蝕歩廊、海水用、化学プラント、原子プラント床板に多く使用されます。絶縁効果もあり発電所の絶縁床板、空港、レーダー周辺の電波透過性の必要な場所にも最適です。又FRPは非常に軽く最近では目隠しフェンス、落下防止フェンス等と用は無限に広がっています。

荷重条件について

グレーチングの耐荷重とは、グレーチングの強度を示す指標です。
グレーチングが耐えられる荷重によって、主に6種類に分けられます。

自動車荷重 歩道荷重
T25 T20 T14 T6 T2
トレーラー程度

トレーラー
程度

大型トラック程度

大型トラック
程度

中型トラック・バス程度

中型トラック
バス程度

小型トラック程度

小型トラック
程度

乗用車程度

乗用車程度

歩道荷重
【T-25】耐荷重の種類と用途

T-25は、総重量25トンまでの車両(トレーラー、はしご付消防車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
T-20同様、車道で利用されているグレーチングで、主に一般国道において利用されています。以前は一般国道でもT-20が用いられていましたが、近年ではT-25が主流となっており、特に新設された車道では、T-25のグレーチングが広く使用されています。

【T-20】耐荷重の種類と用途

T-20は、総重量20トンまでの車両(ダンプカー、大型バスなど)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
ダンプカーなどの大型車の通行にも使用できることから、車道で使用されることが多いグレーチングです。

【T-14】耐荷重の種類と用途

T-14は、総重量14トンまでの車両(観光バス、消防車、ゴミ収集車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。消防車などの通過も可能であるため、マンションやビルなどの駐車場内において広く利用されています。

【T-6】耐荷重の種類と用途

T-6は、総重量6トンまでの車両(マイクロバス、救急車など)が通行する場所に使用できるグレーチングです。
通常の貨物用トラックなどが通行する道路にも用いることが可能で、一般道路の側溝部によく利用されています。

【T-2】耐荷重の種類と用途

T-2は、総重量2トンまでの車両(普通自動車、軽自動車、大型バイクなど)が通行する場所に使用できるグレーチングです。一般の道路で乗用車のような比較的積載物の少ない車両が通過する箇所に利用可能です。また、一般家庭において駐車場の入り口などの側溝にも利用されています。

人荷重(歩道用)

人・自転車程度の通行に対して使用されます。一般の道路では、あまり使用されることはありません。
(家のまわりなどで、車両は全く通らない場所で使用します)